刑事訴訟法の基本判例
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タイトル
日付 東京高裁判決S54.8.14
事案の概要・経緯
任意同行は実質的逮捕で違法→拘留は違法→拘留中の調書の証拠能力はない、もとの被告人の主張
判旨
覆面パトに乗ってからの同行、どこにいってもいい、と言ったものの、その場所・方法・態様・時刻・同行後の状況(あまり重要ではないので省略、どうしても気になる方は判例集で確認してみてください)から、逮捕と同一視できる強制力が加えられていたので、任意同行は実質的な逮捕で違法。
しかし、客観的事情からすれば、緊急逮捕できた(被告人は出所後間もなく免許がないのに、数時間前に盗まれた自動車を運転していた)。
かつ、実質的逮捕から約三時間後に通常逮捕の手続き＋実質的逮捕から48時間以内に検察官に送致
→本件実質的逮捕の違法性は、その後の拘留を違法にするほど重大なものとはいえない
→拘留中の調書の証拠能力はある
解説・関連情報
刑事訴訟法重要判例
- 最決H1.7.4長時間の取調べ
- 最決H10.5.1電磁的記録媒体の包括的差押さえ
- 最判H11.3.24接見交通・接見指定
- 最決H14.10.4令状提示前の立ち入り
- 最判H15.10.7一事不再理効と訴因
- 最判H15.2.14違法収集証拠排除法則と毒樹の果実
- 最判H2.6.27捜索差押さえ時の写真撮影
- 最決H5.1.29逮捕した場所から500ｍないし3ｋｍ離れた所轄警察署にて220条に基づく捜索・差し押さえ
- 福岡高裁判決H5.3.8220条に基づく捜索・差し押さえ
- 最判H6.9.16採尿令状で検査のための場所に連行できるか
- 最決H6.9.8捜索令状の範囲
- 最決H8.1.29準現行犯逮捕
- 最判H9.9.16職務質問のための実力の行使
- 福岡高裁S42.3.24一罪一拘留の原則
- 京都地裁決定S44.11.5現行犯逮捕
- 最判S44.12.24写真撮影
- 東京高裁S44.6.20220条に基づく捜索・差し押さえ、「逮捕の場所」とは
- 東京地裁決定S47.4.4再逮捕・再拘留の要件
- 最判S51.11.18令状の差し押さえるべき物の範囲は概括的な記載
- 最判S51.3.16強制処分と任意処分の限界
- 最判S53.6.20所持品検査 米子銀行強盗事件
- 最判S61.4.25違法収集証拠排除法則
- 富山地裁決定S54.7.26任意同行と逮捕
- 東京高裁判決S54.8.14実質的逮捕の違法性
- 最判S55.10.23強制採尿
- 最判S59.2.29宿泊伴う取調べ 高輪グリーンマンション殺人事件
参考文献 刑事訴訟法判例百選
主要法律雑誌
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- 最判＝最高裁判所判決
- 最決＝最高裁判所決定
- → 順接の接続詞(したがって、よって、ゆえに)
- A＝B AはBである
- A≠B AはBではない