刑事訴訟法の基本判例
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タイトル
日付 最判H15.2.14
事案の概要・経緯
大津警察署の警官三名、朝、窃盗容疑で逮捕状が出ている被告人の身柄確保のため逮捕状を携行しないまま、警察車両で三重県伊賀市内の被告人宅に赴き、被告人発見。
被告人は任意同行に応じない。そのため警官三名に片手錠を掛けられロープで身体を巻かれ、逮捕され、署まで連行、十一時ごろ逮捕状呈示。しかし逮捕状には八時半ごろに現場で逮捕状を呈示して逮捕と記し、その旨の捜査報告書を作成
同日夜、任意の尿検査により、覚せい剤反応出る その鑑定書に基づいて数日後、被告人宅の捜索差押さえ実施 覚せい剤発見
一審 逮捕は違法、その違法状態を利用した尿の鑑定書、それを疎明資料とする捜索差押で発見された覚せい剤等は違法収集証拠として排除、覚せい剤使用等につき無罪 窃盗は有罪
高裁 是認
判旨 窃盗も含め破棄差し戻し
逮捕=違法、警官手続き違法を隠すために虚偽の記載・公判での偽証、経緯全体からして逮捕の違法の程度は令状主義の精神を没却する重大なもの 逮捕に密接に関連する証拠は証拠能力なし
採尿、逮捕当日に実施→尿・鑑定書=逮捕に密接に関連する証拠
覚せい剤、鑑定書を疎明資料として発付された捜索差押さえ許可状に基づき取得→関連性あり
しかし、司法審査を経て発付された許可状に基づく証拠・逮捕前に適法に発付された窃盗容疑での許可状の執行とともに実施→尿鑑定書と覚せい剤との関連性≠密接
→覚せい剤の収集手続きに重大な違法なし、覚せい剤の証拠能力あり
解説・関連情報
刑事訴訟法重要判例
- 最決H1.7.4長時間の取調べ
- 最決H10.5.1電磁的記録媒体の包括的差押さえ
- 最判H11.3.24接見交通・接見指定
- 最決H14.10.4令状提示前の立ち入り
- 最判H15.10.7一事不再理効と訴因
- 最判H15.2.14違法収集証拠排除法則と毒樹の果実
- 最判H2.6.27捜索差押さえ時の写真撮影
- 最決H5.1.29逮捕した場所から500mないし3km離れた所轄警察署にて220条に基づく捜索・差し押さえ
- 福岡高裁判決H5.3.8220条に基づく捜索・差し押さえ
- 最判H6.9.16採尿令状で検査のための場所に連行できるか
- 最決H6.9.8捜索令状の範囲
- 最決H8.1.29準現行犯逮捕
- 最判H9.9.16職務質問のための実力の行使
- 福岡高裁S42.3.24一罪一拘留の原則
- 京都地裁決定S44.11.5現行犯逮捕
- 最判S44.12.24写真撮影
- 東京高裁S44.6.20220条に基づく捜索・差し押さえ、「逮捕の場所」とは
- 東京地裁決定S47.4.4再逮捕・再拘留の要件
- 最判S51.11.18令状の差し押さえるべき物の範囲は概括的な記載
- 最判S51.3.16強制処分と任意処分の限界
- 最判S53.6.20所持品検査 米子銀行強盗事件
- 最判S61.4.25違法収集証拠排除法則
- 富山地裁決定S54.7.26任意同行と逮捕
- 東京高裁判決S54.8.14実質的逮捕の違法性
- 最判S55.10.23強制採尿
- 最判S59.2.29宿泊伴う取調べ 高輪グリーンマンション殺人事件
参考文献 刑事訴訟法判例百選
主要法律雑誌
法学教室(25%off) The Lawyers(ザ・ローヤーズ) ジュリスト(7%off) 法学セミナー 会社法務A2Z Lexis判例速報 Lexis企業法務 法律時報 インターナショナル・ローヤーズ 知財研フォーラム 法律のひろば 労働判例 その他の法律雑誌 |
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- 最判=最高裁判所判決
- 最決=最高裁判所決定
- → 順接の接続詞(したがって、よって、ゆえに)
- A=B AはBである
- A≠B AはBではない